これまでの日本では、法で定める組織制度には「有限責任の物的制度」と「無限責任の人的制度」2種類しかなく、「有限責任の人的制度」が用意されていなかったため、欧米で成功しているLLPやLLCを導入しようという機運が高まり法の施行が始まりました。大企業同士の共同出資による実験的事業投資であったり、優れた技術があっても資本に乏しい技術者や中小企業が、大企業などと共同して対等に仕事できる新しい企業形態となり得るなど、高度な専門家を持つ人的財産と、そこへ提供される資金を有機的に組み合わせる組織体として利用価値が高いと期待されています。
LLP三大特徴
①有限責任
- 出資者が、出資の範囲内でしか事業上の責任を負わない。
- 有限責任により、出資者にかかわる事業上のリスクが限定され、事業に取り組みやすくなります
②内部自治の徹底
- 内部自治とは組織のルールが、法律によって詳細に定められているのではなく、出資者同士の合意により決定できることで、二つの意味があります。
- 第一に出資比率によらず、損益や権限の柔軟な配分ができるということです。
- 第二に取締役など会社機関が強制されず内部組織が柔軟であるということです。
③構成員課税
- 構成員課税とは、組合段階では課税せず、出資者に直接課税する仕組みです。
- 効果としては、LLPの事業で利益が出た時は、LLP段階で法人税課税されず、出資者への利益配分に直接課税されることとなります。
- またLLPの事業で損失がでたときは、出資額を基礎として定められる一定額の範囲内で、出資者の他の所得と損益通算することができます。
